
■11/4(火)
不意に携帯に連絡が入る。9月に近所で落語をやった後に連れて行かれた子ども食堂で知り合ったおっさん。この人、市内で精力的にNPO活動をしているのだが、新たに茶飲み話の会みたいなのを立ち上げた。で、そこで落語をやってくれというオファーだった。
いいですよ。いつですか?つったら「明々後日の金曜」というアンサー。え?早っ、というかオファー遅っ、と思ったが、ちょうど、土曜日に『文七元結』をやらなきゃいけなくて、それの稽古をしようと思ってたのでそれをやることにする。
■11/7(金)
お昼。近所にあるその会場へ。元は街の病院だった家をそのままレンタルスペースにした所。午前中から茶飲み話をしに集まっていたジジババが7人くらい、元病院の元待合室でランチを食っていた。で、食い終わり次第、落語ということで、着替えなどしてのんきに構えていたら、その後3人組のおばちゃんが遅れて現れ、彼女たちがおしゃべりを楽しみながらゆっくりランチを食い出し、結局1時間以上待たされる。
で、元診察室なのだろう、そこに座布団敷いて『文七元結』。40分くらいある噺なのだが、時間が押したからできればマキで、と言われ、マクラもなしにバーンとやった。
この噺、昨年末に初演で1回やったきり。この数日はその録音を聞いて思い出したり台本を足したり引いたり稽古したり。していた。頭は冴えわたり、気力も体力も充実しており、情景が頭の中に鮮明に浮かび、セリフもスラスラ出た。
おばちゃんたちは、食後の眠気と戦ったり負けたりしていたが、どんどんと噺の世界に引き込まれてくるのがわかった。距離も近いし。笑いこそ少なかったが。
終わると、たいへんな充実感。100点!と思った。
■11/8(土)落語@高島平
で、その翌日、昨日と同じ演目をやったのだが、30点だった。
隔月で落語会を催している場所で、お客さんは昨日と違い、ちゃんと落語を聞きに来ている。なのに。ダメだった。
理由は、あとで気づいたのだが、これ、早口過ぎたのだ。
前日は結局、ほとんど時間を気にせずたっぷり40分近くやったのだった。
で、この日は出演者4人のうちのトリで、本来持ち時間は30分なのだが、40分くらいやってもいいよとは言われていた。
のだが、なんか、お客さんが疲れてるんじゃないかな、早く帰りたいんじゃないかな、と勝手に思い、勝手に30分を目指してマキでやってしまったのだ。前日口演し立てだから立て板に水状態。走る走る。間も十分に取らなかったかも。結果35分。これだと噺についていけないかもね。あと、前日やってるから同じセリフでも、昨日よりは感情が乗らなかった気もする。それじゃダメなんだけど。
結果、昨日得た満足感もなかったし、熱演した僕に、お客は何も言わずとっとと帰って行った。誰からも褒められなかった。前日良かっただけに、かなり意気消沈した。今月あと8回も口演が控えているのに。てか明日も明々後日もあるのに…。
■11/9(日)@埼玉素人落語協会定例寄席
ここは良くも悪くも誰も時間のことは気にしない。いくらでも好きにたっぷり語れる。
と言いつつ、僕は時間を気にするたちだから毎回20分とか設定して臨み、結果22分とか23分とか。
で、この日は演者が一人欠席した。と、出番直前に会長が、
「お前今日のネタ何分だ?」と聞いてくるので、
「20分っす」つったら、
「もっと伸ばせ」
「えー!」と。『崇徳院』は先月高円寺において15分に縮めてやったネタ。これを解凍して20に戻したワケで、それ以上は伸ばせない。で、しかたないから急遽、やるつもりのなかった汎用性の高いマクラをちょっと長めにやったり。それで24分だった。これが限界っす。うーむ。いつかはどんなネタでも伸縮自在にできるようになりたい。けど。なる前に死んじゃうだろうなあ。。。
■11/11(火)@坂戸市石井
この地元の会は、このシリーズで一番頑張らなければいけない重要な会だった。なぜならいつもと趣が違うから。
何が違うかというと、いつもは○○町老人会とかの団体が既に存在し、その月例会、例えば今月はカラオケ、今月は体操、みたいなのものに「今月は落語を聞きましょう」てな感じでゲストで呼ばれる形。それはそれでいいんだ。客はいるし。ただその中に落語なんか聞きたくないという人がいるかもしれないが。
だがしかし今回は違うのだった。
主催はその地域民生委員とかもやってたおばちゃん。
4月の社協で僕の落語を見て、その時すぐ僕に声をかけてくださった人だ。曰く「前々から落語会を開きたいと思ってて、落語をやる人を探していたのよ!」とのことで「あなたギャラはいくら?」とかいきなり聞いてくるので、無料です。自分が地元でやりたいだけでお金目的じゃないので。かなんか言うと、「ダメよ。ギャラを取ってくれないと頼みにくいじゃないの。もらいなさい!」と強く僕に説いたのだった。で、そのうち段取りができたら連絡するということだった。
で、何の音沙汰もなく月日は流れたのだが、9月になって携帯に連絡が来た。曰く、「ギャラを一万出す」とのこと。そんなにいらない、と言ったが、いや出す!の一点張り。で、近々会って打ち合わせたいとのことで、数日後会う。
で、何と、このおばさま、会うなり、
「アタシ落語のことよく知らないのよ」ってんで、俺はズルっと椅子から滑り落ちた。
「知らないんすか?」
「ええ、ちっとも」でも、町内を明るくするためにこのイベントを開きたいんだと。
で、今回、場所は町内の自治会館だが、町内会や老人会とは関係なく、このおばちゃんの独自企画で落語会を開催すると言う。
集客方法はおばちゃんがチラシを作成し近所や知り合いへ配布するとのこと。でも初めてのことだから何人来るか全く分からない。
で、入場料を300円取るから30人くらい来れば1万になるという話だった。
ありゃま。
と思ったが、おばちゃんの動機、町内を明るくしたいという思いには大いに共感、というか僕も全く同じことを考えている。
そして何より、他のような既存の集まりではなく、落語を聞きに銭出してでも集まる客、その前で落語をやるってのは念願だ。
やりましょう!
ってんでこの日を迎えた。
会場に着くなりおばちゃんが「はい」ってんで一万円渡してきた。
え?だって、まだ開場していないじゃないですか。お客さんどれくらい来るですか?
「全然わからないわ。でもいいの。いくら赤字になっても私が自腹切るって決めてたから」
そうなのか。胸がぐっと熱くなった。
で、僕の予想では20人くらいと思われたお客であるが、41人も来た。おばちゃんの広報活動がすごい。
さて、本番であるが。もう全力で熱演した。今持ってるものを全て出した。『崇徳院』20分『文七元結』45分。たっぷりやった。
のだが。結果は70点…。悔しい。悔しすぎる。
敗因はネタのチョイスだ。
いつもよりは落語に精通している客が来るだろうと予想したので、今自分自身で旬の、脂ののっているネタを選んだのだが、お客は普段と左程変わらないのであった。興味があるので落語を聞きには来たが、落語自体そこまでよく知らない、生で見るのも初めて、どこで笑っていいのかわからねえ、といった、いつもと同じ坂戸のご長寿の方たちだったのだ。
そりゃそうだ。いきなりこの町に落語通が湧き出てくるわけがない。ちょっと考えりゃわかるじゃねえか。何を勘違いしやがったんだオレは。もっとわかりやすい、笑えるところが豊富な『代書屋』かなんかにしておけばよかったのだ。ああ。何でそんなに面白くもない『崇徳院』なんかにしたのだ…。バカだった。
と個人的には反省しきりだったが、まあ、お客様にとってはそこまで悪いものではなかったようだ。何より主催のおばさまがご満足されていたようで何より。来年もやりましょう!今度は所沢から講談のオスカルさんを呼びますので。よろしく。
■11/15(土)落語@高円寺幸寿司はなれ/佐藤幸雄とわたしたち@高円寺喜楽w/FUCKER/bonster/neonrocks/точка(トーチカ)
LIVEが入ってるからと一旦は断った落語会。だったが、これ、場所も同じ高円寺だしLIVEは夜、落語は昼からだから、開口一番なら出られますよと軽い気持ちで引き受けた。のだが、これ、お囃子軍団主催のハメモノ縛りの会だったのだ。
ハメモノとは噺の中で三味線や鳴り物が入る演出のことで、これ上方の落語に多くあるんですよ。でもアタシは江戸落語。
だから「ハメモノの噺なんか一個も持っていないですけど」とお囃子の姉さんに言ったのだが、
「それでもハメましょうよ。大丈夫。アタシが教えてあげるから。ハメると気持ちいいわよ。あたしもういろんな人とハメてるのよ。ぽっぷちゃんともハメたいの」と、姉さん無類のハメたガール。わかりましたってんで無理やりハメる。『幇間腹』で。一八が若旦那の凝ったものを当てようってんで小唄や民謡をやるくだりが円鏡さんの型であったのでそこで。結果、非常にウケたのだが60点だな。
で、出番が終わると速攻着物から着替えてライブハウスへ。音出しリハ。で、リハ終わりで速攻寄席に戻って、トリだけ見て会場を片づけて、そのまま落語会の打ち上げに出て、いい気分で結構長時間飲んでて、はっ、て気付くともうライブハウスに戻るべき時間で、戻るとFUCKER谷口氏が熱唱中で、ウオーと盛り上がり、そのあとすぐ佐藤幸雄とわたしたちの出番で、ギャーってドラムを叩き、終わるとトリのトーチカってバンドが僕にとってはどストライクの往年のオルタナパンクをやるもんだからうれしくて、うぎゃーってはしゃいで騒いでたいへん疲れました。ハメたし。
■11/21(金)落語@純手打ちうどん町田タロー庵w/吉田悠樹/押野健
これは以前やってた「前野健太とDAVID BOWIEたち」というバンドで二胡を弾いてた吉田悠樹くんに誘われて。「町田のタロー庵(マエケンとも旧友の人が店主)って店で落語イベントやりたいみたい」ってことで引き受けたんだった。
夕刻、町田という街自体初めてだったので、着くなり缶ビールを購入し街を徘徊。で、店へ。で、店主や吉田君と「マエケンとどう出会ったか」とかいう懐かしい話で盛り上がりながらぐんぐん飲み、さあ落語ってんだけど、客は2人。でもその客も前野健太ファンで、もう落語なんかどうでもいいやってんで、「僕と前野健太」についてマクラで20分くらい語ってから『不動坊火焔』を20分くらい。ウケた。でもね、酔ってたから70点かな。でもスッゲー楽しかった。トリの吉田君のとき一曲飛び入り参加してお皿やコップをチャンチキおけさ。で、泥酔。はっと気づくと23時くらいで、もうお家へ帰れないのよアタシ。でも池袋くらいまで行けるだろうってんで店を辞したが、町田駅周辺でここの方が安く泊まれそうだと思い直し、結局漫画喫茶で夜を明かし、始発で2時間くらいかけて帰宅した朝7時。寝た。
■11/22(土)落語@千代田中学還暦同窓会
起きると昼過ぎ。同窓会幹事は昼の2時半に中学校集合ってことで、飯食ってシャワー浴びて落語セットを用意してバリバリ二日酔いの頭と体で中学校へ。
準備に数名集まっていたのだが、結局一人で空き教室を落語会場に変えた。一人で机を寄せたり、椅子を並べたり、高座を作ったり。汗がしたたり落ちる。なんかすっかり忘れていたが、その昔、懲罰で一人で掃除をさせられた記憶が蘇る。
で、集まって記念写真撮って各教室をダラダラ見学して回って音楽室でダラダラ校歌歌って落語会場へ。
そこで、まずは亡くなったH君のお母さんによるスピーチ。皆を泣かす。その隙にアタシは廊下で着物に着替え、落語。
てか数か月前「同窓会で落語やって」と言われたときは、何でだよ。いやだよ。ふざけんなよ。と思ったのだが、一回深呼吸して考えてみたら、こういう時の余興としてサラッと落語をやる、なんてなあ俺の目指すところじゃなかったのか?と思い直したのだった。さらに言うと、この11月の一連の落語会ラッシュの中で、一番いいところを見せなければいけない、頑張らなきゃいけない、重要な場と位置付け、気合いだけは入っていたのだった。
で、結果、50点。
敗因は、緊張。
高座に上がって、ふっと、この25人くらいの皆の顔を見渡した瞬間、柄にもなく、滅茶苦茶緊張したのだった。
普段は知らない人の前でやるわけで、ど~も~なんつって出てきて、どう思われてもいいやという気楽さで臨む。
しかし今回、客はみ~んな俺のことを知ってる人。しかも45年ぶりだ。
顔を上げて皆の顔を見渡すと、皆が俺を見ている。当たり前だが。懐かしさというより、この異常な状況に対する戸惑いと居心地の悪さと二日酔いの気持ち悪さで、一瞬吐きそうになる。悪い夢を見ているような感覚。
で、あたふたした。喬太郎師匠の『午後の保健室』は生まれて初めてやるネタで、7分くらいしかないのだが、重要な笑い所を一つ飛ばすわ、途中で上下を見失うわ、最後にエンドウのことをヤマザキと呼ぶわ…たいへん悔しい結果に終わった。まあ、みんなからは褒めてもらったが、いや、こんなもんじゃないんだよ!俺は。ホントに。信じてくれ。。。
そのあと隣駅のレストランでたらふく飲んで騒いで、さらに居酒屋でアホほど飲んで喋って、深夜帰宅。楽しかったが、もういい。もうお腹いっぱい。
■11/24(祝/月)『崇徳院』@あんしん祭典新板橋駅前
まあよかったけど65点。ここら辺はなかなか疲れが取れないままだった。疲れって言っても落語じゃなくて深酒の、ね。
で、共演したおじちゃんが素人落語会では噂の名人・重鎮の人だったのだが、なんと、学生時代に僕の大好きな8代目・橘家圓蔵(5代目・月の家圓鏡)と関係があったそうで、もう楽屋でいろいろ昔の話を聞く。すげえ。この人に弟子入りしたいと思う。
で、よせばいいのに世話人が「こいつは今月11回も落語会に出るんですよ」と教えてしまい、その師匠に「やり過ぎだ馬鹿」と小言を頂く。すみません。もうしません。と謝った。
■11/28(金)『崇徳院』@ラーク所沢
体調万全で90点。
で、終わって、何の気なしに出口でお客さんを送り出していたら、「ヤス~」と昔のあだ名で声を掛けてきた2人の女子。
ええ?誰だ?つったら中学の同窓生でアホほど驚く。
で、先週の同窓会には出席しなかった奴らだった。
何で?所沢に住んでるの?って聞いたら、秩父と浦和だった。
ええ?どおゆうこと?つったら、なんか、俺の落語が聞いてみたくて、ネットで調べてわざわざ来てくれたのだそうで。
ありがたい。いい感じだ。
■11/29(土)「荻保亭一門会」@高円寺北集会所
埼玉に引っ越して1年半たつのだが、未だに「杉並江戸落語研究会」に所属している。全然顔出してないけど。
で、その”杉落研”は年2回、選抜されたメンバーで寄席を開く。これの次の日がそれだ。
ただその寄席の出演選抜基準は主に出席率であり、アタシは当然出られないだろうと高をくくり、前日のこの「荻保亭一門会」の出演を引き受けた。てか毎回レギュラーで出させてもらっていたしね。
ところが”杉落研”の選抜メンバーにも選ばれた。つまり連日高円寺阿佐谷に来なきゃいけない。え~まじか。てなもんであるが、断るという選択肢は持っていないので、やるはやるのだが、自分自身の動機づけが、特にこの日の寄席には必要だった。
そこで、訳あって今月覚えた『紺屋高尾』を20分短縮バージョンでやってみよう、ってんで、やった。
結果、100点。
これ用に考えたマクラは最高にウケたし、縮め方も大丈夫だったし、独自に考えて入れたクスグリも思った以上にバカウケしたし。まあ、ここのお客さんがいつもいいんですよね。温かくって。笑ってくれて。
てんで、調子に乗ってサイゼリアで打ち上げもしっかり出て2時間かけて帰る。明日も来るぞ。2時間かけて。
■11/30(日)「杉落研17周年謝恩落語会」@阿佐谷区民センター
案の定、頭も体もだるかったが、昨日と同じ午前11:24の坂戸発の電車に乗って阿佐ヶ谷へ。
今日は素人が12人、15分ずつ、計3時間以上に及ぶ、地獄のような寄席だ。もう出番が終わったら皆に土下座してとっとと帰っちゃいたい気分なのだが、アタシの出番はトリ前の11番目で無理。
『碁泥』15分は70点。でも本望。
というのは、この日トリの師匠が以前言ってたことがあり、何かってえと「トリの前ってのはウケの少ない落ち着いた噺をやるべきなんだ。賑やかでバンバンウケた奴の後なんかはやりにくいんだ」と。
そうだよなあ。
ってんで、今回トリ前のあたしは『碁泥』をチョイス。ちょっと季節外れなのを除けば、まあ、五月蠅くないし、笑いは少なかったし。よかったんじゃないでしょうか。役目をきっちり果たしたんじゃないでしょうか。誰も褒めてくれなかったけど。
ってんで、片づけて、その後打ち上げ兼忘年会だったんだが、アタシはそれを断り、まっすぐ帰った。2時間かけて。次の日も朝から地元で落語をやんなきゃいけなかったから。
■12/1(月)とある老人会の忘年会@坂戸ことぶき荘
朝9時半に自転車で町はずれの田んぼの先にある集会所。忘年会の余興に呼ばれた。
で、結果から言うと60点。
いや、出来はすこぶる良かったのだ。が、何か終始喋ってるおばちゃんグループが一組いて、もうダメだった。まあ、悪気はないんだろうが…。あったら困るが。
これ、どうせ40分なら文七元結とかの人情噺をやってりゃおとなしく聞いてくれたと思うんだ。
で、本来そうしようと思ってたんだ。ところが。数日前にそこの幹事のおじちゃんが「笑える短めの噺を2本」とリクエストしてきたのだった。ああそうですか、ってんでとっておきの『幇間腹』と『不動坊火焔』を出したんだが。
いやいや。これからはちょっと私語ババアへの対策を考えなきゃいけないな。もしくはもうこういうのは引き受けないか。いや、それは逃げだな。何かあるはずだ。やりようが。またどうせ呼ばれるだろうからな。あのおじちゃんのリクエストを拒否する手もあったんだよな。ううううむ。次こそ、ぎゃふんと言わせてやる。じゃないか、黙らせてやるよ。私語ババア!お前らを死後ババアにしてやろうか、って、うそですよ。(^^)/
■12/3(水)@杉並区某デイサービス
これは、この4日前に、落研の担当おばちゃんから頼まれたものだ。ちょっと嫌だったが、アタシ、埼玉に引っ越す以前はこの係をやっててだいぶ苦労した覚えがあるから、困っているのはわかる。なぜかごくたまに全く行ける人がいない日ってのがあるんだよね。それわかるから。引き受けちまった。
で、一人で1時間はやらなきゃいけなかったので『不動坊火焔』30と『紺屋高尾』30。後者は20分のを一度試しただけで、正規の30分ver.もどこかで試したかったんで、まあ、ちょうどよかったっちゃあ、よかった。
で、久しぶりにそのデイサービスに行ったのだが、1年半で通所者さん、結構様変わりしてたんですよ。あらあ、と思っちゃった。
で、75点。出来はすこぶるよかったです。で、まあ、全然いいんですけど、慣れているんですけど、通所者さんたち、寝たり、飽きてきてたり。中には「いつ帰れるんだ」とずーっとスタッフに聞くおじいちゃん。いいんですけど。ああ。すみませんと。
■12/5(金)
夜。会社の毎年恒例麻雀大会。結果については割愛する。まあこんなもんでしょ。疲れてたし。
■12/6(土)佐藤幸雄とわたしたち@横浜日ノ出町試聴室w/原罪?
リハの後ぶらつく。川が流れ、薄汚くもあり、こぎれいでもあり、ソープとかもあり、とてもいい街だと思う。落ち着く。近くの狭くて汚い中華屋で炒飯を食う。うまかった。次来た時は拉麺食おう。
出来はまあまあ。楽しそうだと言われる。ガレージバンドみたいだと言われる。店主三沢君にいつかここで落語やってと言われる。ぜひ!やりたいよー!
■12/7(日)アリーノ寄席@川崎市鷺沼
70点。打ち上げは鷺沼の台湾料理。打ち上げで相当飲んだ。楽しかった。で、なんか、おごってもらっちゃったような気がする。すみません。ありがとうございます!
■12/10(水)落語@坂戸の某デイサービス
11月からずーっと、ぱーぱー落語をやり散らかしてこれが15回目。これがまさかの最悪の会となった。久々の試練。あたしこの日を機に考えこんじゃったよ。てのは。
この地元のデイサービスには5月に1回来たことがあった。その日は土曜だった。通所者さんは想像していたより、ちゃんと聞いてくれて、笑ってくれて、な~んだ、やり易いじゃん、と思ってた。
で、そのつもりで、この日臨んだのだが、水曜日。曜日によって通所者さんたちの程度が違う、というのは後から知った。
ど~も~つって喋り出した途端「聞こえな~い!」と叫ぶおば様が。
あらま。結構でかい声を出してるつもりなんですけど。じゃあ、一番前の席に移動したらいかがです?と促したが全く動かない。
と、控えていた男性スタッフがさーっと来て、カラオケ用のマイクを僕に差し出した。受け取って「な~んだ、マイクあるんですね。え~」と右手にマイクを持った状態でしばらく喋り「いやいや落語はこうやってやらないですよ~!」とノリ突っ込みをかますが、誰も笑わず。「あの、マイクスタンドありますか?」つったら無いと言う。「わかりました!あのね、できるだけ大きな声で喋りますので!」
まあ、いいんだここまでは。ホントに。通所者さんには罪もないし。その後ですよ。
教室の4倍ほどある広い部屋の真ん中にみんなが集まってる状態。あたしは最大のボリュームでワーワーやってた。
で、ちょっと離れた後ろの空間で、女性スタッフが2名、お互いちょっと離れた距離で、タオルかなんかをたたむ作業をしていたのだが、
「ちょっと○○さーん!」
「なあにー!」
ってんで俺の声と同じくらいのボリュームで会話し出したので、ビックリしたね。
でも、まあいいや、ってんで淀みなく噺を進めていたのだが、またしばらくして、
「ねえ、あのさー!」
「なあにー!」
「あれさあ、こうだよねー!」
「あはははは!」
みたいなのを何度も繰り返すわけ。
アタシそのたびにネタが飛びそうになるわけ。てか腹立ってくるわけ。
おい、ふざけんなよと。
今目と鼻の先で落語を一生懸命語ってんだよ。そんな大きい声出されたら邪魔になるってことぐらい何でわかんないの?
いや通所者の方だったらいいよ。許せるよ。でもさあ、お前らスタッフだろうがあ!
ってんで、怒りが爆発寸前のところで、ふと、黙ってみた。
と、そん時はあいつらも黙るんだよね。
で、十分間を取ってから、続きを喋り出すと、
「それでさあー!」
…こいつら許せん!!!
「おなじみ『へっつい幽霊』でした~。では5分間休憩を頂きます」つって楽屋代わりの小部屋に引っ込んで、ペットボトルの茶をゴクゴク飲んで、深呼吸して、小部屋から出ると、相変わらず何かの作業している2人の女性スタッフのもとへツカツカと歩み寄る。
と、ちょっと若めの女性スタッフは「え?」って感じでアタシを見る。
「あの」
「はい?」
「ちょっとですね、落語やってるんで、大きい声で喋るのやめてくれませんか」
で、その女性、何て言ったと思います?
「え~。違う違う。私じゃないの!あの人よ~」つって、なんかもっと離れたところで作業している人を指さす。
「あの人が喋りかけてくるんですよ~」
ああそう。でも今ここに二人いるじゃん、と思っていると、その傍らにいた中年女性が、
「違う違う。私は今来たところよお。何?私何もしてないのに怒られちゃかなわないわ~」とか言う。
ああ、そうですか。
つーか、何その対応?!ここは素直に、すみませんでした、気を付けます、でしょうがあ!
なーに人のせいにしてるの。いや、そりゃもう一人が発端かもしれないけどさあ、
そこは共同責任で、ああ、すみません!だろうがああ!
で、その張本人がこっちにやって来たので、
「あの、落語やってるときは静かにしてもらえますか」つったら、
「あ、はあ」つって、つーっと奥に引っ込んじゃった。
なあなななななななななななんんだ、てめえええらあああ!!!!!!
と怒りが収まらぬまま、てか感情が爆発した後にくる震えが止まらぬまま、後半。
「え~、次は『文七元結』というお噺です」ってんでマクラを振り、本題に入ろうとしたら、何かが違う。
違うはずだよ今やったマクラは『紺屋高尾』のだよ。
自分で自分に苦笑。で、文七元結。さすがにスタッフは静かだった。てか通所者も静かだった。
やり終えて、速攻着替えて、おつかれした~かなんか言って、二度と来るかボケェと思いながら外に出たら、ずーっと事務所にいた偉い職員の人が追いかけて来て、僕に謝ってきた。
溜飲が下がるが、一応、今後僕じゃない落語の人がここに来るかもしれないから「通所者さんたちはいいけど、スタッフは、落語の時はなるだけ演者に邪魔にならないようにするべきですよ」と意見する。
「これに懲りずまたお願いします」と言われる。
で、家に帰って、やけビールを飲みながら、考え込む昼下がり。
ショックだった。
まず、スタッフが悪かった。で、スタッフに文句言っちゃった。いやそれはいいんだ。言ってよし。
あとはまあ、はっきり言おう。客が悪かった。しかしデイサービスだからな。そんなことはわかっていた。
それにしても、最近お客との相性が良くないときが多い気がしてきた。
これは…。やっぱ、回数を増やしたから、自然とそういう客に巡り合うことが増えたのか。そうなるとそういう状況にも慣れなきゃいけないのか。
あとこれ、本当にお客だけの問題なのか、こっちに何か修正すべきところがあるんじゃないか。
さっき施設長に「前回来たときは通所者さん、もっと聞いてくれてる感じがしたんですけど」と問うと、
「曜日によって通所者さんが違い、状態も違う。今日は割と重い方だったかも」てな話だった。
それならそれで、もっとやりようがあったのではないか。わかりやすいネタにするとか。
僕の思い込み、情報不足、経験不足が原因じゃないのか。
今日のデイサービスには二度と行かない、と一度は思ったが、それは逃げじゃないだろうか。
あと、お客との相性が良くなかったけど、俺的に満足、って日も最近多かった気がする。
今回はそうじゃなかったが。
何だろ?
ここでワタシは、ここ5週間の落語会を一つ一つ検証し、評価を下し、データ化。それを子細に分析・検討することによって、上手くいった/いかなかった要因を探り出し、今後に生かすべきである、と強く思い立ったのだった。
そのデータが下の表1だ。16回以降の記載があるのは後日付け足したからであることをご了承いただきたい。
◇表1

この表を作って、やっといろいろわかった。腑に落ちた。で、精神の安寧を得られた。
ホントいろいろ気付けた。全部は書かないが、大きいところで言うと、
【1】「出来」(上手く出来たかどうか)が良ければ、「満足度」(これが今のところ自分で一番重要なパラメータ)が高いだろうと思っていたが、例外も多々ある。つまり、出来が良かったけど満足度が低い時もある。
【2】「満足度」は、「ウケ」(ウケたかどうか)とは、(あまり)関係がない。
【3】「マクラ」は大事だとずーっと思っていたのだが、これは「満足度」とはあまり関係ない。ただし、「マクラ」と「ウケ」は、やや関係がある気がする。つまりマクラがよければその日は大体ウケてくれる。逆にマクラでダメならもうウケないことが多い。例外もあるが。
などなど。
で、ここで最も重要であり、検証すべきなのは【1】の例外現象、つまり「出来が良かったけど満足度が低い時」の要因、を探る。
これについては「その日のネタが関係している」のではないかと仮説を立て、ネタを横軸に配したデータも作成。表2になる。演目横のカッコつき数字は通算口演回数である。
◇表2:ネタと『満足度』の関係

この表についてはデータが少なく、気付けることはあまり多くはない。また、同じ会で2席やった場合は同じ満足度になっちゃっている。が、大体同じ印象なのでこのまま。で、言えることは大きく2つ。
【1】満足度100が2回あり、このネタは初回、もしくはだいぶ間をおいた2回目、で、大変上手くできたので大満足したのであり、その時のウケだのなんだのは関係なかった、という事実。
【2】左から3番目の『幇間腹」は生涯で26回もやり倒しており、これは2回やって2回とも60点、てのはイマイチと感じておる。これは自分がもう飽きちゃってるからだ。どれだけ出来が良くても、どれだけウケても満足できないのだ。
さて、もっともっと発見したことはあるのだが、ここまでに留めておく。
で、ここまで長々書いてきたが、とりあえず現時点での、結論としては、
「ネタが自分の手に入った!と感じた時にこそ俺は満足する」のであり、
翻って「やり慣れたネタ/一度手に入ったと感じたネタに対しては、今一度工夫を加えるなど進化させる努力をしなければ満足感は得られない」ということだ。
まあ、気付いちゃうと、何だよ、当たり前じゃねえか、と思うんだけど。それは気付いてから言えることだよ。
であと、余談だが、これって何かと似てるな、と感じてて、先日佐藤幸雄さんと話してて気づいたんですけど、バンドで曲やるときがまさにこれなんだよな。新曲やってて、これだ!って思う瞬間と、だんだん、慣れてきて満足しなくなったりして、やらなくなったりして。似てる。と思うよ。僕はね。
あと、この分析って、結局、てめえの満足度しか考えてないんじゃねえか、ってことであり、それじゃダメだろ、ってえのもあるんですが。でもいいの。今はまだ。アタシはこの段階なんだ。
あと、このページのこの日以前の部分てのは、この表を作ってから書いている。つまりいろいろ気付いてから振り返って書いている。ので、なんか、「その時こう思った」風に書いているけど、その時は気付いていないことを書いているのでね。そこ、腹落ちしてね。まいいか。
■12/12(金)
会社の飲み会その1。全く面白くないだろうと予想して行ったが、楽しかった。終電。
■12/14(日)
@埼玉素人落語協会定例寄席。『目薬』10分。ややうけ。だけどいいの。で着替えてすぐ次の現場へ。
@第13回レジデンス寄席。『大工調べ(序)』ちょうど1年ぶりにやるネタ。棟梁の啖呵のところ、まあうまくいった。でもそこじゃないんだよな。その後の与太郎の方が大事なんだよなあ。で。結果、まあ良い方だった。打ち上げ焼き鳥屋。たのしかたよ。
■12/18(木)
会社の飲み会その2。あんまり面白くないだろうと予想して行ったが、やはりあんまり面白くなかった。なのに終電を乗り過ごし、深夜に及び渋谷区から新宿区にかけて街を徘徊し、新大久保で始発に乗って帰る。何してんだ。
■12/20(土)『紺屋高尾』30分@所沢演芸会
全体的にすごく良い会だった。中学の同級生男子が2人も来てくれた。また、高校のブラスバンドの先輩が一人来てくれた。そしてバンドの先輩も夫婦で来てくれた。うれしいです。ありがとうございます。共演者と打ち上がり、たらふく飲み、新所沢駅で酔いを醒ましに冷まして帰る。
■12/21(日)
佐藤幸雄とわたしたちは豪徳寺で2曲レコーディングしました。ちょっと打ち上がって早めに帰る。
■12/22(月)よりあい*ええげえし企画「年忘れ鈴木家ぽっぷ独演会」@坂戸社協
『壺算20』と『文七元結40』。よかった。いっぱい来てくれた。疲れた。
■12/27(土)佐藤幸雄とわたしたち@ひかりのうま w/木下弦二
店主が代わってから初めて。同じ店なのに別の店。セルちゃんが来てくれた。酔っぱらい打ち上げで飲んで喋ってたら急に終電に間に合わない!ってデジャブが襲い、挨拶もそこそこに焦って駅に行ったら間に合った。よかった。
■12/28(日)
中学の同窓会ってのを先月やったが、その幹事のお疲れさま会をやるから来いと言われる。そんなのやる必要があるのか?と思われたが、その前に同級生の天明屋画伯の個展を見に行くってんで行く。日本橋高島屋。いや、すげー。300万くらいする絵。買いたいと思った。買わないけど。あと談志さんの落語でお馴染みの鉄拐仙人の図もあって感激した。いやすごい!で、池袋のカラオケルーム。3時間。これも修行と思って耐えた。で帰り、俺はこのまま電車に乗ったら吐くなあ、と思われ、しばらく線路沿いで酔いを醒まし、帰る。これにて今年の活動は終了。
年間報告としては、LIVE及びレコーディングが17、落語が59だった。
落語は、そのうち地元坂戸市でやったのが15回。あ、同窓会入れると16ですが、やっぱこれは入れないで15回で。まあ1年目にしては上出来でしょう。で、これってほとんど独演会で1回に2席やることが多かったから、落語の席数でいうと、73やった気がします。
落語あと1回で60回だったなあ、とか思いません。来年はもうちょっと少なくてもいいや。まあオファーが来たら断らないスタンスは堅持するつもりだけど。
てことでまた。よいお年を(^^)/